30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

6/29 あれから1年

リンパ郭清・放射線の入院からもう一年経ったのだ。

 

この時は離婚直前と2回目の入院いうこともあり、精神的にも結構参っていたのだが、思ったよりもしっかりとしたことを書いてるなというのが率直な印象。元妻のことや離婚の可能性について全然言及していないが、多分それどころじゃなかったんだろうと思う。実際、陽子線で入院した時よりも、かなり肉体的・精神的にはきつかった。

まぁ結局離婚もしてしまったけど、結果的に負担が減って悪いことばかりではなかったし、落ちるところまで落ちて、この1年少しずつ上り調子にできたのではないかと思う。まだ味覚も戻ってないし、色々しんどいことも多いけど、今年は何とかいい年にしていきたい。

6/28 30代

最近ブログへのアクセス数が増えている。恐らく30代のがん患者ということで、小林麻央さんの件で検索される方が多いのだろう。

僕は長期間「死」と向き合っているので、「死」に対して人よりも耐性があると思う。昨年、祖母が亡くなったときも、ほぼ天寿を全うした上での死だったので、むしろポジティブに捉えることができたくらいだ。ただ、小林麻央さんが亡くなったとき、今までで余り感じたことのないような悲しい気持ちになった。

 

なんというか、何度も見た「火垂るの墓」を見るときのような、悲しい結末が待っているのは分かっているのだけど、一緒に見ている人はあえて知らないふりをして、明るい描写もあるのだけど、それが一層その後直面する悲しみを際立たせていて、そして、やはり予想通りの結末は免れないのだけど、それでも結末を知ってしまうと胸が締め付けられる、そんな感じに近いかも知れない。

そして、僕も一時はそのスクリーンの中にいたわけで、彼女と年齢も近いこともあり、今回は苦しみがダイレクトに伝わってきてしまう。考えても無駄なのだけど、自分が生きている意味を何度も自問自答してしまう。

6/13 文系理系

最近仕事で大量のデータを扱う作業をしている。数万個のデータファイルを処理しなければならず、これは手動ではやってられんということで、久しぶりにマクロ(プログラム)を書くことにした。普通にやれば数日かかるような仕事が、数分放置しておくだけで終わるのだから便利なもんだ。

しかし、マクロを書くのは 久しぶりで、どうも度々処理がおかしくなる。俺のマクロは完璧だ!エクセルの処理が間違っている!と思っても、やはり人間様の方が間違っていて、修正するときちんとした出力を得ることができる。上手く行かないときは自分が確実に間違っているので、ある意味やりやすい作業ではある。

そういえば僕はこういう明確性が好きで理系を選択して、大学でも工学部に進んだんだったなぁと思い返した。

 

文系と理系を互いに揶揄するネット上のジョークで、

文系は作者の気持ちでも考えてろよ

理系は点Pと点Qが出会うまでの時間でも求めてろよ

というのがあって、なるほどなぁと少し気に入っている。「文系=感情」「理系=計算」というありがちなステレオタイプだ。

高校時代の僕は浅はかな考えでもって、まさにこのように考えていて、文系科目が大嫌いだった。しかし、社会に出て色々感じて、文系と理系の違いというのは、論理へのアプローチが言語的か記号的かの違いだけなのだと今では思っている。そして、僕は理系バカにならないように、文系的な素養を身に付けるように努力してきたつもりだ。ただ、人の気持ちを読むというのだけは僕の性格上得意ではない。

 

僕は「元妻の気持ち」をきちんと考えることができたのだろうかと今でも時々思う。病気という特殊な状況の下でも、お互いにお互いのことを少しでも慮ることができたならば、結婚してからすれ違い続けた「2つの点」も交わることができたのかもしれない。

今ではもうどうしようもない話だ。

6/2 ロブスター

そういえば、「放射線終了から〇〇日」という記載を忘れていた。でも、もう面倒になってきたので書かないことにする。味覚自体はまだ5割程度しか戻ってきておらず、リンパ郭清の痕も違和感があり、前回の入院の影響は大いにまだ残っているのだけど、いつまでも縛られているのも馬鹿らしくなってきたのだ。

ということで、リンパ郭清・放射線も克服!おめでとう!

 

と話は全く変わって、ロブスターについて 。

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 【AFP=時事】フランス西部ブレスト(Brest)のオセアノポリス(Oceanopolis)水族館で撮影された青いロブスター。クルスタシアニンと呼ばれる青い色素が過剰に生み出される遺伝子異常によるもので、科学者らによれば極めて珍しく、ロブスター200万~300万匹に1匹の割合で生じるという。【翻訳編集】 AFPBB News

https://dot.asahi.com/afp/2017042000007.html

 

このニュースを見たとき、珍しい話もあるもんだと流しそうになったが、何か違和感を覚える。そう僕の病気・嗅神経芽細胞腫の発生確率(250万人に1人)とほとんど同じだったのだ。まさかロブスターによって自らの病気の珍しさを再認識することになるとは。時代が時代なら僕も博物館に展示されていたのかもしれない。

 

今日から僕は「青いロブスター」として生きて行くことに決めた。

悪い気分ではない。

 

【おまけ】アメリカザリガニにサバをあげると青くなる(96へえ 

5/26 ご無沙汰

悪い癖が出て、サボりがちになってしまった。

しかし、ブログの性質上、書くことが増えるということは、それは病気そのもの・もしくは病気に起因する出来事により苦しんでネタが増えているということだから、必ずしも喜ばしいことではない。別に病気関連に縛られることなく、いいことがあれば書いていけばいいだけの話なのだが、いいことも特段にないというのが現実だ(笑)

つまり、以前も同じことを書いたかもしれないが、書くことが無いということは、良くも悪くも安定はしているということなのだ。…という長期に更新をサボった時の恒例、長ったらしく、婉曲的な言い訳をさせてもらった。

 

しかし、久々のいいこと。

先日、九州がんセンターに入院中に仲良くなった方とお会いすることができた。入院中に比べると体力も大分戻られたようで、精力的に活動されており嬉しくなった。自分と近い病気の方が頑張っているのを見ると、とても元気づけられる。入院中はかなり弱られていたけど、本当はこんなにもエネルギッシュな方だったのだ。お陰様でエネルギーを充填することができた。

しかし、一方で自分はいつまで足踏みをしているのだろうかという気持ちにもなった。できないことにばかり目を向けるのではなく、できることに目を向けていこうと思ってはいるものの、どうしても病気以前の自分と比較して、勝手に自己嫌悪に陥ることが多い。

もう1年近く経つのだ。去年の今頃転移が分かって、絶望して、何かもう色々と人生が嫌になって、外科手術して、放射線当てて、味覚が無くなって、頭痛が酷くて、離婚して、ボロボロになって、何とか復職して…と色々あった1年だった。

これからは、できないことばかりに目を向けるのではなく、できたこと・できることに目を向けていくべきなのだ。そのように生き方を変えていくことこそが、病気になった数少ない意味というべきものだろう。

 

そして、あまり間も開けずに、更新していければと思う。久々の更新にもかかわらず、何のひねりも落ちもない内容で失礼しました(笑)