30代ひねくれ者のがん闘病記

性格が捻くれた30男のがん闘病記 転移で第2章スタート

11/26 種の保存

がんセンターで紹介された病院に精子を冷凍保存に行ってきた。基本的に生殖外来というのは女性が多いようで、待合室の中でも男性は自分ひとり。明らかに浮いている。「掃き溜めに鶴」ならぬ「鶴溜めにゴミ」というところだろうか。

しばらくすると唯一の男性職員に個室に案内されて、恭しく「こちらでよろしくおねがいします。」とのこと。何を「よろしく」なのかは言わずもがなということなのだろう。

 

部屋の扉を開けると1畳ほどの空間に、テレビ・DVDプレイヤー・ヘッドフォン・ソファーが並んでいる。極めて簡素な作りだ。部屋の隅の本棚には、本・DVDなどの「道具」が乱雑に重ねてある。まるでこのような低俗なものは並べるに値しないというような扱いだ。そして、入った瞬間になぜか笑いが止まらなくなって、昔見た「トリビアの泉」のある回を思い出した。

その回は「人が笑うという行為」を学問として研究している大学教授が作る1番面白いギャグは?という内容で、非常に印象に残っているのだが、その答えが…

青年の主張
私は全国の皆さんに伝えたい事があります
私は人一倍性欲があります

というものだった。その理由は、

笑いの価値構造における価値の高い「青年の主張」の場で、「性欲」という通俗的な低価値の「エロス」をあられもなく表現することで おかしみを引き出す。

ということらしい。

病院という高尚な医療の場で、「快楽天」とか「凌辱〇〇100連発」とかの「道具」がクソ真面目に用意されているのを見て、笑いが止まらなくなったというところなのだろうか。完全にナニ用のテレビが御大層にもREGZAだし。笑いというのは「ギャップ」が生み出すものなのだろう。

 

そのあとはいつも通りの「作業」をこなして終わり。検査の結果、残念ながら病気のせいなのか、僕の精子は濃度・運動率・奇形率のすべてが平均を大きく下回っていた。自分の精子は濃度が高いと勝手に思い込んでいたので正直そこだけびっくりした(笑)

保険が効かないので料金は五万円也。これで面白い体験ができて今後の生きる希望になるのだから安いものだろうと思う。いい経験をしたと笑い話にできるように治療を頑張っていきたい。