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30代ひねくれ者のがん闘病記

性格が捻くれた30男のがん闘病記 転移で第2章スタート

12/4 3D/1W:新入り患者

新しく隣に来た患者のイビキが凄まじくて困っている。僕が入院しているのは「がん」センターではあるが、がんでない患者さんも普通に入院してくる。その人が「がん」なのかどうかは入口に貼ってある担当医の数を見れば瞭然で、「がん」患者の担当医は明らかに多くなっているので分かる。(勿論、僕の担当医も多い)

その新しい患者(以下、イビキ野郎)の担当医は少なく、また入院期間も短いとのことなので、がんじゃないのだろうと思っていたし、態度からもそれほど重篤ではないのだろうのだろうというのが何となくは分かった。結局、いきなり室内で携帯で電話をし出して、「がんじゃないけど、なぜかがんセンターにいるんだよ、ワッハッハッハ」みたいな話をし出したのでそれで確定した。がんで苦しんでいる人が多くいる中でそういう話を大声でする所が周りの患者への配慮がないというか、ガサツというか、僕が好きになれないタイプの人間であるのは間違いない。

 

僕は、以前の会社で地方の工場の寮に数年住んでいたのだが、そこの隣の住人が勤務後の夜中に大音量でアニメを見だすことがあった。(工場は三交代という9~17時とは違う勤務が敷かれている)その度に僕は「うるせー」と怒鳴って、壁を蹴り飛ばしたこともしばしばあり、そういった類の配慮が足りずに出された騒音に対しては怒りを露わにする傾向がある。一方、イビキなんかの意図せず出された騒音に関しては余り気にせずに寝ることができる。

しかし、このイビキ野郎の発するイビキに関しては、第一印象が最悪だったこともあり、イライラが募って全く眠ることができなかった。 挙句、「いやーねえちゃん、ほんといいケツしてんなー」と明瞭な寝言を話し出した。この瞬間、僕はイビキ野郎とは雑談は勿論のこと、一切の朝の挨拶もしないことに決めた。

結局、この患者の名前を「イビキ野郎」から「セクハライビキ野郎」に改名するという小さな反抗を企てて溜飲を下げ、僕はようやく眠りにつくことができた。