30代ひねくれ者のがん闘病記

性格が捻くれた30男のがん闘病記 転移で第2章スタート

12/21 6D/3W:転職理由

昨日、転職について触れたので、その理由について書きたい。

僕が以前いた会社は、大企業のメーカーだ。僕は銀行・商社などの「手数料」で食っている会社が大嫌いで、就活のときは歯牙にも掛けなかった。極端に言うと、銀行は「金利の差」・商社は「物価の差」で食っている。そういったビジネスモデルが嫌で、絶対にモノを作っているメーカーに行こうと思っていた。しかし、実際に入ってみるとメーカーでも結局やっていることは、人件費の安い下請けを使って仕事を投げるだけ。下請けは日給が大企業より安いので「日給の差」の上がりを掠め取っていることになる。程度の差はあれ、大企業と言うものは下請けの生き血を吸っているという構図は変わらないのだ。

そういう仕事なので、正直楽で仕方がなかった。5年くらい経ってと仕事のある程度も見えてくると、本当に能力の1割くらいの労力で仕事を回している感じになる。しかし、仕事をしている感じにはなっているが、それは大企業という看板があるからではないだろうか…?という疑問が僕の頭を常に支配するようになった。そして、そんな仕事で高給を貰っている自分に違和感を覚えていた。

 

菊池寛の「形」という小説をご存知だろうか?ご存知でなければ是非読んで頂きたいが、大体のあらすじを書くと、…

戦国時代に目立つ「赤い鎧」を身に着けて出陣する武将がおり、その姿を見ると雑兵どもは慌てふためいて逃げ出すくらいであった。その武将は初陣の若君に乞われてその「赤い鎧」を貸し出したのだが、別の鎧を着けて出陣するとどうも様子が違う。雑兵も自分のことを一介の武将としてしか見ておらず恐れる様子もない。最終的に集団で攻撃を受けて討ち死にする中で、自分は「赤い鎧」という「形」があったから恐れられていただけで、それを外してしまうと何の神通力もなくなってしまうということに気付く…

という話だ。

 

大企業は、人から頭を下げられる・自分の父親くらいの下請けに偉そうにできる・名刺を出すときに優越感がある…などの特典(笑)がある。そういうのが好きな人には本当にいい環境だと思う。僕は努力の結果としてその地位を手に入れたのだけど、気持ち悪くて違和感しかなかった。そして、このまま勤めていると、会社と自分を同化させて自分が偉いと勘違いしていくのが怖かった。実際、僕の回りは勘違いしている人間ばかりだったし、社外に出たら何の魅力もない人たちなんかゴマンといた。

僕は自分が社外に出て肩書きという「鎧」を取ったときにどのように扱われるのかという興味に気持ちが向いてしまっていた。 自分から大企業の「鎧」を取ったときに、人からどの様に扱われるのだろうか、また自分は一人の人間として自信をもって接することができるのだろうか…ということだ。

 

以上の理由だけではないが、考え抜いた結果、転職を決意した。

全く後悔が無いかと言われば嘘になるが、「やって後悔」するのが僕のスタンスだった。あのまま大企業の「澱」の中にいて、自分の「魂」が腐っていくのを見ていくのは本当に耐えることができなかった。

今は…前職とは全く別の職種で働いており、年収は1割くらい下がっている。何でそんなに苦しい道を行くの?って感じだし、自分でもそう思う。これはもう、捻くれ者の因果な性格としか言いようがないだろう。

 

リスクを取らないリスク

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