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30代ひねくれ者のがん闘病記

性格が捻くれた30男のがん闘病記 転移で第2章スタート

2/1 リセット

がん闘病記(陽子線)

今日は陽子線治療を開始してから初めての外出。

外に出ると先日降った雪がまだ融けずに残っていた。病院の窓から見る降り注ぐ雪は、映画のスクリーンに飛び散る血飛沫と同じくらい現実感がないものだ。雪に触れると冷たく、自分の中の「今年東京で雪が降った」という単なる事実が、実体験のものとして定着していくのを感じる。

看護師さんが言っていた通り今日は風がとても強く、ニットキャップが何回も外れそうになる。僕の場合は不思議と「睫毛」と「眉毛」だけは抗がん剤の影響を受けて抜けていないので、ニットキャップとマスクをしている限り、見た目は健常人と変わらない。しかし、僕のスキンヘッドが露わになってしまうと、その見た目が善良なる市民の皆様に多大なる不安を与えてしまうので注意が必要だ。

外出先でラーメンを注文したが、胃が弱っているのか、食べきれずに残してしまう。やはり抗がん剤が完全に抜けるのは、2週間くらいはかかるようだ。今回は毎週頭に抗がん剤を打たれるので、体内から抜ける期間が無いのが多少つらいところではある。

 

今日の外出自体は、別に何か用事があったわけではないのだが、外に出て「普通の人」として扱われることに慣れておかないと、自分の中がどんどん「病気」で占められてしまうことが正直とても怖い。「自分」として扱われるのではなく、「がん患者としての自分」として扱われることに慣れてしまうことが怖い。「患者だからいいだろう」という甘えを持ちつつある自分が怖い。

毎週末に何とか外出して「リセット」する機会を設けたいと思っている。

 

外出で予想以上に体力を消耗したようで、病院に戻りベッドに横になると一瞬で眠りに落ちた。「泥のように眠る」という表現は今日の眠りの為にあるのだろうな。

 

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)

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