30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

7/5 8D:長編化

入院8日目。

今日は珍しく起床時間より早く目が覚めた。ロビーで缶コーヒーを飲みながら、最近は調子もいいし、来週の頭には退院できそうだなーと何となく考えていた。退院したら最初に何を食べようかなーって少しワクワクしながら考えていた。そういえば今日は摘出した腫瘍の検査結果が出るって言ってたけど、大丈夫な気がするなーと適当に考えていた。

今日は何もない日のはずだと考えていた。

 

昼前に担当医が少し険しい表情をして部屋に入ってきた。少し言いにくそうではあるが、はっきりとした口調で「腫瘍の検査結果が出まして…」に続いた後の言葉は覚えていない。しかし、それは2ヵ月入院期間が延びるという事実を確かに告げるものだった。予想よりも腫瘍が強く、周囲に分散している可能性があるので、根絶させるべく引き続きの治療をしたほうが良いとのことだ。そして、またしても抗がん剤放射線治療。

今回ばかりは、さすがに…さすがに落ち込んだ。

 

まさに青天の霹靂であった。1年半前のあの苦痛の日々を再び繰り返すのかと思うと心底うんざりする。前回は知らなかったことにより却って乗り切れたには違いないが、今回は一度経験しているからこそ、一層苦痛に感じる。「知らないがゆえの恐怖」と「知っているがゆえの恐怖」…同じ治療で別種の恐怖を不幸にして味わなければならないとは!

…何かロシア文学岩波文庫訳みたいな文章になってしまった。

 

ということで、第二章は当初の予想を超えての長編になりそうだ。

しかし、何で俺の人生のシナリオライターは苦しいシーンでいつもやる気を出すかね。これを乗り越えたら素晴らしい出来事が待っているくらいの帳尻じゃないと、このままでは俺の人生はロシア文学の様な陰惨なもので終わってしまうよ!頼むよ、ホント!