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30代ひねくれ者のがん闘病記

性格が捻くれた30男のがん闘病記 転移で第2章スタート

10/30 味覚記念日

放射線終了から68日目。

入院中に行ったラーメン屋に行った。


日記を読み返すと、あの時の衝撃を思い出す。あれから全く味がしないという苦痛をひたすら味わい続けて3ヵ月近く経つのだ。苦しい日々だった。

最近は、何となく甘味も感じることもあるし、塩そのものを舐めると微かに塩味もする。コーヒーを飲んだら仄かな苦みも感じる。ある程度味覚が戻りつつあるのだろうと思う。でも本当に戻ってきたのかどうか確信を持てない。味覚を失ってから3ヵ月以上経つので、味が「そもそも」どういうものだったかが分からないのだ。

 

ということで、以前のラーメン屋に来て、実際に食べてみてどう感じるか実験してみようとなったわけだ。そして、実際に食べてみると、何となく味がする気がする。ラーメンを食べているという気がする。とても不思議な感じだ。

この日を待ち望んでいたが、こんなにもアッサリした瞬間だったとは。

幻痛」という言葉があるが、僕が感じているものも、味覚の復活を願う余りに脳内物質で創り出された「幻味」ではなかろうかという気になってくるくらいの微妙さだ。しかし、自信は持てないが、多分味はしているのだ。一応味覚が戻ったという区切りにはしてもよいのかもしれない。 

 

『この味がするね』と君が言ったから十月三十日は味覚記念日